The Nightmare After Christmas
夢小説設定
名前変更名前の変更ができます。
※苗字は固定となっています。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「リクちゃん、おだいどこは誰かやってくれたはるから、ゆっくりしといたら?」
リクちゃんは、静かな微笑みを浮かべながらスエちゃんの背中をさすっている。
あたしの言葉に、リクちゃんは顔を上げて「ううん」と首を横に振った。
気丈に振舞っているのが、かえって痛々しい。
「リクちゃん、我慢せんでええんやで。
思い切り泣いたらええから」
リクちゃんは、笑みを浮かべながら、静かに首を横に振った。
「お武家はんは、泣かはらしまへんのやろ?
こういうときでも、お武家はんの御新造はんは泣かはらしまへんのやろ?」
いずれ野口さんの奥さんに───そんな約束を取り交わしていたリクちゃん。
「さ、もう行かな。おスエちゃん、御免やで」
毅然とした口調で言ってスエちゃんをどかせ、
掛け布団を二つに畳むと、リクちゃんは立ち上がった。
武士の妻なら取り乱してはいけない───リクちゃんはそう考えている。
そんなリクちゃんがとてもいじらしく、切なかった。
あたしは立ち上がって、リクちゃんの両肩をつかんだ。
「誰も見たぁらへん。思い切り泣いたらええんやで」
リクちゃんは、いやいや、と首を振る。
そんな彼女の小さな身体をあたしは抱きすくめた。
「リクちゃん!」
野口さんの分まで力の限り、抱きすくめた。
「いやや!!」
あたしの腕から逃れようともがくリクちゃんを、しっかりと抱き留める。