全然納得いかない。

だって、───

「そやけど、納得いきません………。
なんで、そんなことで切腹せなあかんのですか？」

山南さんは答えない。

「野口さんは助けるつもりで、昔の友達のカタを持たはったんでしょ？
そこで断る方がよっぽど士道不覚悟とちゃうんですか？」

どちらにしても士道府覚悟で切腹になったのかもしれない。

（───まさか、）

一度は鎮火したかに思えた疑念にまた火がついた。
いや、そもそも鎮火したわけではない。
粛清だなんて思いたくない、という想いが炎を押さえ込んでいただけで、胸の奥でずっと燻っていた。

芹沢さんが殺されたのが長州の仕業ではなく、おマサさんが源之丞さんに話したように土方さんたちの仕業だったなら───。
野口さんは、芹沢さんの仲間だった。
日は開いてしまっているが───粛清ということも考えられるかもしれない。

目の前の山南さんを見た。
あの夜、山南さんはどこにいたんだろう？
角屋に残って、明里さんと朝まで一緒に過ごしたのだろうか？
それとも、総司くんや土方さんと一緒に八木さんちに帰って───。

「のぞみ君？」

「はい、？」
「大丈夫かい？」
「はい」