The Nightmare After Christmas
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「おリクちゃん!!」
スエちゃんが泣き叫ぶように呼んだ。
見ると、リクちゃんは土間にうずくまってしまっている。
「おリクちゃん!!しっかりしよし!」
スエちゃんが身体を揺すっても、意識が戻らない。
下男さんたちがそれに気付いて、「どうしたんや」と声をかけ始めた。
「気ぃ失うてしもてる。どっか、寝かせられるとこ」
あたしが言うと、スエちゃんが「部屋へ」と泣き叫んだ。
さっきまで餅をついていた下男さんがリクちゃんを抱き上げて、スエちゃんについて行った。
「よく理由もわからへんとか、あるんですかそんなこと………」
「下っ端の隊士には伝わっていないこともあるさ」
「土方さんやったら知ったはりますよね?」
「無論、知ってはいるだろうが───」
「訊いてきます!」
「のぞみ君」と呼び止められて、あたしは振り返った。
「彼が君にそれを説明するとは思えない」
そうだった───あたしは部外者なのだった。
下っ端の隊士には教えない事を、部外者のあたしに一々説明するはずがない。
「私が訊いて来よう」
立ち上がろうとした山南さんを、さっと馬詰さんが助けた。
その後ろ姿を見送りながら、「そうか」と気付いた。
だから、離れは無人だったのだ。
切腹があるから、朝からみんな前川邸に行っていたのかもしれない。