The Nightmare After Christmas
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素直に返事して、あたしは台所の外にある井戸に行って水を汲むと桶の中に手を突っ込んだ。
火照った手のひらに、井戸水の冷たさが気持ちいい。
それにしても、なぜ誰も見物に来ないのだろう。
あれだけ言って回ったのに。
ちょっと様子を見に行こう───と、あたしは離れに向かった。
「あれ?」
庭から見る限り、誰も部屋に残っていない。
源さんさえいなかった。
「なんやさ、つきたて美味しいのにぃ」
仕方なく、あたしは台所に引き返した。
すっかり細かくちぎられたお餅は、あんこがのせられていたり、きな粉をまぶされていたり、大根おろしの中に入れられたりしている。
「あたし、あんこときな粉!サンナンさんは?」
「じゃあ、私もそうしよう」
お皿に盛って、山南さんのところまで持っていく。
傍に控えていた馬詰さんがお皿を受け取った。
「ぜんざいも、出来てますよって」
リクちゃんが教えてくれる。
あたしたちが、つきたてのお餅やぜんざいに舌鼓を打っている間にも、臼には蒸したばかりのもち米が入れられて、また下男さんが杵でこね始めた。
こうして、何度もついてはつきたてのお餅を食べたり、丸めて木の箱に並べたりした。
「やあ、やってるな」
明るい声を掛けながら、隊士さんが一人入ってきた。
二十代半ばといった見た目の、若い隊士さんだ。
すでにやる気満々の彼は、たすき掛けに股立ちを取り、額には鉢巻きまで巻いている。
「安藤くんじゃないか」
「これはこれは、山南先生。
山南先生の御前とあらば、どれ、俺が合取りをいたしましょう」
おどけて言って、手をこすりあわせた。