The Nightmare After Christmas
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あたしは山南さんのところまで行って、吊っている左腕にそっと自分の腕を絡めた。
「あたしもお手伝いします」
なんて、本心はちょっと違うかもしれない。
山南さんのすぐそばにいたい。
山南さんに、触れていたい───。
あたしと目を合わせて、山南さんはニコリと笑った。
「痛いです?こうしたら………」
「いや、痛くないよ。大丈夫」
「よかった」
あたしが笑うと、山南さんもくしゃりと笑んだ。
あたしと山南さんが台所に来ると、スエちゃんとリクちゃんが、「どうぞ、こちらへ」とお餅をついている真ん前へ案内してくれた。
馬詰さんが後ろに控えたので、あたしは山南さんの隣に座る。
「サンナンさん、お餅つかはったことあります?」
「うん、あるよ。小さい頃は故郷でついたし。
道場にいた頃も年末には餅つきをしたな」
「へーえ!」
自分から訊いておいてなんだけど、武士でもお餅をつくのだろうか?
そんなものは、お手伝いの人にさせて、自分はつき上がったばかりの柔らかくてあったかいお餅を食べるだけではないのかと思ったので少し意外だった。
「そういえば、土方くんは幼いころ合取りの名手だったと聞いたことがあるよ」
「お餅をひっくり返す役ですか?」
「うん、土方くんの故郷じゃあ、餅を返しながら面白い格好を取って、見物人を楽しませる風習があるらしい。
彼はその名人らしくて、滑稽な格好を絶妙な間合いで入れてくるんだって。
しかもそれを大真面目な顔でやるもんだから、余計に可笑しいらしくてね」
「へーえ、意外!」
「だよね」
「今度聞いてみよ」
土方さんにそんな面白い一面があったなんて、
とても意外!