始まった日々
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二人は、恐る恐るという風にあたしの顔を覗き込んだ。
「あ、平ちゃん」
がばっと起き上がると、また二人してのけぞる。
「な、な、な、な、なんなんだよ、一体!」
平助くんが喚いた。
「ごめんな、突然」
二人は怖いものでも見るように、あたしを見ている。
「あのさあ、たいっへん申し訳ないんやけどさ」
「な、なんだよ!」
「着物、貸してもらえへん?」
「──は?」
平助くんと一くんはキョトンとしている。
「これ、めっちゃ暑いねん。ふっとい帯してるしやろな。袴のほうがまだマシかも」
一くんが、ほっとしたように細長く息を漏らした。
「なんだ、そういうことかよ」
平助くんは、昨夜あたしが行李の上に乗せた状態のままになっている着物と袴を掴みとって渡してくれる。
「もう女子の恰好はお終いなのかよ?」
平助くんは、ふてくされたように言った。
「当分、ムリ」
「なんだよ、可愛いのにぃ~」
「ごめんな、また着物取ってしもて」
「それはいいけどよぅ」
返したばかりの平助くんの着物一式を胸に抱えて、あたしは自分の部屋へと向かった。