Silent Night, Holy Night
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「ほらね」
総司くんは自慢げに言った。
「なにが?」
「【何が】ってなんだよ、ほんっと馬鹿だな君って!
聞こえないの?
【ほら、沖田先生がいらしてるわよ。いつも素敵ね】って言ってるだろ?」
「言うてへんと思うけど」
「はあ?そりゃあ江戸の言葉では言わないだろうけど、きっと京言葉でそう言ってるはずだよ」
「言うてへん」
あたしはクロモジでツバキの花弁を切り取った。
「そら土方さんやったら、そう言われてるかもしれんけど」
「はあっ!?」
「信じらんないっ」と、総司くんは腕組みした。
「君は反土方派なんじゃなかったの?!」
「【反】ていうほど逆らってないし。
それに、土方さんてひいき目無しに男前やん」
「あーあ、なぁんだ!
君だけは、そこいらの女子とは違うと思ってたのに!」
「男前や思うだけで、好きとは言うてへんけど」
「そうなんだ?!」
さっきから百面相が面白い。
無表情な一くんと正反対だ。
「じゃあ、句帳の方もよろしく頼むよ」
総司くんは、お菓子にかぶりついて口をもぐもぐ動かした。
「いいけど、それってそれなりに危険もともなうやん」
「そりゃそうだよ。だから、君に頼んでいるのに」
「ほな、帰りにおまんじゅう買うてな?」
あたしはニッコリと笑った。
山南さんへのお土産は、仕方ないからおまんじゅうにしよう。
クリスマスケーキの代わり。
「いた仕方ない」
うふふ───と、あたしたちは目を合わせて笑った。
帰り際、さっきの女の子たちが店の外まで見送りに出てきた。
「また来とくれやす」と、二人に袖を引かれたのはあたしの方だった。