Silent Night, Holy Night
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こんなにムキになるのは、本当はあの櫛は、お姉さんに送るものではなく、どこかの女性に贈るためのものだったのかもしれない。
(こんなアホを相手にする女の人も大変やな)
というか、菊ちゃんが既にもらっているのかもしれない。
彼女が新しい櫛を挿してきたことはないけど、きっと大事に胸にしまっているに違いない。
「なぁ、あたしもちょっとお店のぞいてみたい」
「えぇっ?」
「サンナンさんに、なんかお土産買って帰ってあげようさぁ」
「サンナンさんに?」
「うん!」
総司くんの手前【おみやげ】と言ってしまったけど、本音は【クリスマスプレゼント】のつもり。
(うふふ)
でも、何を贈ったらいいだろう。
「何がいいと思う?」
「さー、サンナンさんはあんまり甘い物も食べないしなぁ」
「ほんなら、食べ物以外は?」
「食べる物じゃなく?」
「何故?」冷ややかに言って、総司くんはあたしを見おろす。
ぎくりとして、一瞬答えに詰まってしまった。
「なんでって、まあ、色々落ち込んだはるやろし、なんかこうもらって嬉しくなるようなもんってないかなーと思って」
総司くんは、「フンッ」と鼻から息を吐き出すと憎たらしい言い方で言った。
「君から何か貰ってもねぇ。
明里さんからっていうなら、何を貰っても嬉しいだろうけど」
そりゃあ、そうだろうけど───あたしは総司くんから目をそらせた。
「そんな事より、ほら、そこを曲がったとこだよ」
ぐいと腕を引かれて、よろけながら総司くんの後に続いた。