Silent Night, Holy Night
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「何言ってるの?【僕と】二人だよ?
平助なんかと一緒にするなよ」
総司くんはむっとする。
かと思えば、眉を下げてまた両手を合わせた。
「ね?お願い、お願い、お願い、お願い!!」
あたしはウンザリした顔を作って渋々承諾した。
「はいはい、分かりました。
そやけど、先にその甘味屋さんに連れてってよ?
そこがほんまに美味しかったら、探したげる」
「いやっほう!」
「ほな、今から連れてって?」
「え、今から?!」
「あたり前やん!今日、なんの日か知らんのん?」
「さぁーー、」
「【クリス祭り】に甘いもんなかったら白けるやん。
いっぱい、お菓子買うてな」
あたしは、総司くんの腕に自分の腕を通すと、グイグイ引っ張って玄関に向かった。
八木さんちの長屋門を出ると、総司くんは鬱陶しそうにあたしの腕を振り払った。
前川邸の裏門から出てきた若い隊士たちが総司くんを見つけて、きびきびと頭を下げる。
「へーえ、ちゃんとしてるなぁみんな。
総司くんに、あんなちゃんと挨拶したはるやん。えらいえらい」
「あのね、君くらいだよ。僕にぞんざいな態度を取るのは」
「だって、あたしは隊士とちゃうもん」
「隊士じゃなくたって、君は【居候】という身分なんだから。
もっとその身分をわきまえて────」
「あっはははー!」
あたしが指を差して笑うと、総司くんは予想通り頬をふくらませた。
「自分かって、八木さんちに居候してるくせにー」
「うるさい!
僕たちは、公方さま下坂の護衛という大事な任務があるんだよ!
君みたいな、迷い猫といっしょにしないでくれたまえ!!」
「あははー!【くれたまえ】って、なんなん。全然似合わへんし」
ギューッと首根っこをつかまれて、あたしは降参した。
Silent Night, Holy Night<1>/終