命の恩人
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そして、ササッと胸やお腹を自分で拭いて、そそくさと着物に腕を通した。
やっぱりあたしには、させたくないのかもしれない。
そこは、明里さんの領域なのだろう。
「なんだか、寒くなってきたな」
「あ、じゃあ、お布団入らはりますか?」
「うん、そうするかな。
申し訳ないけど、横になるのを手伝ってくれるかい?」
山南さんは脇腹の傷がまだ痛む。
あたしは上半身を抱くようにして、そっと寝かせた。
「ありがとう」
背中から腕を抜こうとした時に、山南さんが言った。
そして、すうっ、と鼻から大きく息を吸い込む。
「いい匂いだ」
「あ、………ああ、サンナンさんにもらった匂い袋です!」
山南さんは、すんすん、とあたしの襟の合わせ辺りを嗅いでいる。
「うん、それもあるけど、君の匂い」
「えっ!!?」
恥ずかしいのと、びっくりしたので、勢いよく腕を抜いてしまった。
「あ、しまった!!痛くなかったです?」
山南さんを見ると、痛そうに顔をしかめている。
「す、すいません!!」
どうしよう、どうしよう!!
ああ、まったくあたしったら、そそっかしいにも程がある。
この衝撃で、脇腹の傷が開いたりしたらどうしよう………!!
「なんてね」
────へぇ?
見ると、山南さんは悪戯っぽい笑みを浮かべていた。
「だ、大丈夫なんですか?」
「うん」
「も、………もうっ!!」
ホッとするやら、少し腹立たしいやらで、あたしは顔をしかめた。
「ごめんごめん、………怒ったかい?」
「怒りませんけど、心配しましたぁ、もうっ」
「ごめん、」と言って、山南さんはあたしの頬に触れた。