命の恩人
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江戸時代というのは、意外にもマッチョ社会である。
肉体労働者が圧倒的に多く、お侍も毎日鍛錬を欠かさない人などは結構マッチョなのだ。
でも、わかりやすいのは───
「新八さんとか!」
「永倉くん?」
「あ、近藤さんも結構そうかも。ほら、ゴリラみたいやし」
ウホウホッと、あたしはまた胸を叩いて見せた。
「あとで、ゴリラの絵ぇ描きますね。
ウホウホ言うてても分かりませんもんね」
「それは、楽しみだな」
山南さんと一緒にいると、自分でも信じられないくらい素直になれるから不思議だ。
声の響きや話し方が、そんな風にさせてくれるのかもしれない。
(土方さんとは真ぁ逆やな)
土方さんと一緒にいると、どうも意地の張り合いのようになってしまい、【どう言い負かすか】に必死になってしまう。
右の腕を拭いて、前に回った。
胸の筋肉やお腹も、十分引き締まっていて、正視するのが気恥しい。
手ぬぐいを絞り直して、あたしは言った。
「お顔も拭きますか?」
「よろしく」
山南さんは、ぺこりと頭を下げた。
「痛かったら、言うてくださいよ?」
「うん」
聡明そうな額に、優しげな眉。
目は意外と大きくてぱっちりしている。
あたしの大好きな瞳がよく見える、美しい目。
額から真っ直ぐにのびた鼻梁は上品だ。
甘い作りの顔立ちが、引き締まった口元のせいで精悍にも見える。