命の恩人
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桶に手を入れてみると、思った通り、少し熱いめのお湯。
手ぬぐいを絞ればちょうど良い。
桶の縁にかけてあった手ぬぐいを、ゆっくりと絞る。
絞った手ぬぐいから滴り落ちる水滴があたたかそうな音を立てた。
「はい、準備完了です」
山南さんは、右手だけで襟を広げようとして四苦八苦していた。
ここは、助けるべきだろうか………。
「あの、お手伝いしましょか?」
山南さんは、苦笑いで顔を上げると「うん」とうなずいた。
「ほな、ちょっとコレ持っといてください」
手ぬぐいを渡して、あたしは襟に両手をかけた。
そして、今さらながら、それを開くことに躊躇する。
「どれ、手伝おう」
山南さんが言って、自分の襟に右手をかける。
小指があたしの左手に当たって、そこだけが熱く感じられた。
山南さんが、ぐい、と襟を引っ張ったので、あたしも右手に力を入れる。
大きく襟が開いて、山南さんの胸があらわになった。
パチパチと瞬きして、あたしは小さく頭を振った。
いけないいけない、あたしはただの世話係なのだから。
こんなことくらいでドキドキしていては、ちゃんとお世話なんかできないじゃないか。
「脱いだ方がやりやすいかな」
ゴソゴソと右手を抜いて、山南さんは左の肩の着物もずらした。
すっかり露わになった上半身は、まるで陶器のようになめらかだ。
東北出身というだけあって、肌の色が抜けるように白い。