命の恩人
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山南さんは、少し寂しそうに眉を寄せたものの、気を取り直すように笑顔をあたしに向けた。
「やあ、早いね」
馬詰さんに助けられながら歩く山南さんにとっては、離れの一番奥にあるこの部屋に戻るにはかなり時間がかかってしまったという意味なんだろう。
「お部屋、あっためときました」
「流石、韋駄天だ」
馬詰さんは、そうっと山南さんを火鉢の側に座らせる。
山南さんは、ほっとしたように長い息を吐いた。
「疲れはったんとちゃいます?お昼寝しはりますか?」
布団の方をちらっと見ると、山南さんもつられるようにそちらを見た。
「用意周到だね。ひょっとして、私を誘っているかい?」
「へっ?」
山南さんを見ると、くすくす笑っている。
「冗談だよ、全く君はからかい甲斐がある。顔が真っ赤だよ」
「えっ!!」
両手で頬を隠すと、また山南さんは笑っている。
「冗談だよ」
そして真顔に戻すと、馬詰さんに向かって言った。
「しばらく休むから、あなたも隊務に戻って下さい」
静かに、でもどこか毅然とした声色で言った。
馬詰さんは、「はっ」と頭を下げるとキビキビとした所作で部屋を出て行った。