命の恩人
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丁度台所には、お昼ご飯の支度中のスエちゃんがいた。
「あ、のぞみはん、ちょっと待っとくれやす!」
「ちゃうねん、ちゃうねん」
かくかくしかじか、あたしはスエちゃんにお弁当のことを話した。
快く承諾してくれたスエちゃんは、「子どもたちにも」と沢山おにぎりを作ってくれた。
早速あたしはお重を持って壬生寺に戻った。
丁度、総司くんたちは、お堂に座っている。
あたしが、お重を下げているのに気付いて、菊ちゃんが駆けてきてくれた。
「ちょっとぉ、女の子を走らせるて、どういうことぉ?!」
「だってさぁ、僕は赤子を抱いてるから」
菊ちゃんが背負っていた赤ちゃんをちゃっかり腕に抱いている。
山南さんも、幸せそうな笑みを浮かべて赤ちゃんの顔を覗き込んでいた。
お重の中身を見て、総司くんはケラケラと笑った。
「これは君が作ったんじゃないね」
「は?」
「だって、君がこんなに綺麗に大きさを揃えて握り飯を作れる訳がないじゃないか」
「こら、沖田くん、なんて事を言うんだ」
山南さんが困ったように言った。
総司くんは、馬鹿みたいなおどけた顔であたしをからかっている。
「いいんです、サンナンさん。ほんまのことですし。
スエちゃんがいたから、作ってもらったんです」
「ほらね」
総司くんは鬼の首を取ったように言って、おにぎりを両手に一つずつつまみ上げた。
「サンナンさんも、どうぞ」
山南さんは「ありがとう」と一つ取る。
馬詰さんと菊ちゃん、子供たちにも配って、気付いたらあたしの分が足りなくなっていた。