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(もう行ってええかな………?)
お膳を持ち上げようと腰をかがめた時、また声がかかった。
「で?」
(もうぅぅう~~、こんな中途半端な体勢で声かけんといてよ、もう~う!)
そう思いながらもニッカと愛想笑いを浮かべる。
「はい?」
「で、どうなんだサンナンさんは。
明里のことは、何か言ってなかったのか!」
「………、ああ」
「何か言ってたか!」
あたしはお膳をあきらめて、土方さんと火鉢を挟んで正面に座った。
「どうなんでしょうね」
「はぁっ?」
「【もう気持ちの整理もついたし】て、言うたはりましたけど」
「お前ぇは、【はい、そうですか】とそれを真に受けたのか」
ギリギリと歯噛みする。
「あたし、土方さんとちごて素直なんで」
「お前ぇの単純馬鹿と一緒にするな、馬鹿!」
「サンナンさんも言うたはったんですけど、休憩所に住むことになったら、ここまで通うのが大変でしょ?
それもあると思います。
それと、【オンナ囲って呑気にするために京都に来たわけ違う】て言うたはりました」
土方さんは、腕組みであたしから目をそらせた。
自分も休憩所を持とうとしていた手前、きっと後ろめたい気持ちがあるんだろう。
あたしも、黙って火鉢に手をかざした。
ポカポカと手の平が温まって、あたしは手をこすり合わせる。
「蠅みてぇな真似するんじゃねえ」
「へ?」
「すりすりすりすり、手を擦り合わせるなって言ってるんだ。貧乏臭ぇ!」
(だって、手ぇ冷たいんやもん………)
そう心の中で口ごたえしてから、「すいません」と手をこするのをやめた。