Home Sweet Home
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食事が済むと、山南さんは「もう休む」と言った。
一日中駕籠に揺られていたので、想像以上に疲れているようだ。
旅装は解いているとはいえ、平服に袴を着けた格好だ。
寝間着に着替えさせなければならないし、そうだ、その前に身体を拭いた方がいいだろうか。
【身体を拭く】と言っても、【どうやって】、【どこまで】拭けばいいのだろう?
想像が妙な方向へ進んで、思わず頬が熱くなった。
いやいや、照れる必要はないのだ。
あたしは看護師さん代わりにお世話させてもらうだけなんだから。
ちらりと山南さんを盗み見ると、ゆったりと盃を傾けていた。
(あかん、あかん)
ここは、さらりと何でもないことのように言うのが一番だろう。
あたしは小さく咳払いしてから切り出した。
「さ、サンナンさ───」
かーーーーーーっ!!
声が裏返ってしまった。
やだ、笑ってる………!!!
山南さんは、クスクスと声を殺して笑っていた。
「君の心配には及ばないよ」
そう言ったかと思うと、障子の向こう側から声がかかった。
「サンナンさ~ん、もういいですぅ?」
総司くんの声だ。
しまった、さっきの聞かれただろうか?
「いいよ」と山南さんが答えると、スッと障子が開いて、総司くんが入ってきた。
手には湯気の立った桶を持っている。
「あれ、こんなとこで何やってるのさ」
冷たい視線をあたしに投げつける。
「私が困るといけないと、ここで一緒に食事をしてくれていたんだよ」
「ふうん」
興味なさげに言って、総司くんは山南さんに近付いた。
「君は出ていきなよ、これからサンナンさんはお休みの支度をなさるから」
湯が入った桶は身体を拭くためのものだったのか。
あたしは納得して、お膳を積み上げた。
「ほな、また明日、来ますんで」
「うん、よろしく頼むよ」
山南さんは笑みを浮かべて、丁寧に頭を下げた。
Home Sweet Home<2>/終