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「笑わせ過ぎだ」
山南さんは身体を起こして、あたしから距離をとった。
「すいません、大丈夫でした?」
「ずっと笑ってなかったから、笑うとまだ傷が痛むことを知らなかった」
大阪では、どんな毎日を過ごしていたんだろう。
総司くんに世話になりっぱなしで、きっと気疲れしたに違いない。
「これから毎日笑かしてあげますよ、覚悟しといてください」
「そうは言うけど、君には土方くんの世話があるだろう?」
「世話って、───」
あたしは「あはは」と笑う。
「赤ちゃんとちゃうんですから、この際、お着換えも一人でやれるようになってもらいます」
もちろん、ここを追い出されないように代筆のお仕事は続けさせてもらう。
それに、代筆の仕事ならわざわざ土方さんの部屋でする必要もない。
山南さんの部屋にいて、必要なときに、必要なお手伝いをさせてもらうこともできる。
「じゃあ、楽しみにしているよ。日に一度くらいは顔を見せておくれ」
【日に一度】と言われて、あたしは少なからず傷ついた。
やっぱり、明里さんじゃなきゃいけないんだと思う。
「ずっとここにいたら、うっとうしいです?
その方が、声掛けやすいと思たんですけど………」
山南さんは、驚いたように目を見張った。
「もちろん、ずっと居てくれるなら有難いさ。
でも、君は土方くんのこともあるだろうし───」
「土方さんなんか、ほっといたって大丈夫ですし!
代筆のお仕事やったら、ここでも出来るでしょ?
用事があるんやったら、土方さんの方がここまで言いに来はったらええんですし」
山南さんは、困ったように眉尻を下げた。
「迷惑ですか、やっぱり………」
「まさか、迷惑な訳がないだろう。
でも、土方くんに怒られそうだ」
「なんでです?お仕事は続けるし、土方さんはあたしがいぃひんくても、何でもひとりで出来はるはずでしょ?」
仕方ない、といった風に山南さんはうなずいた。
自分から言い出しておいて、余計なことだったかもしれない、と後悔した。
山南さんが一番お世話して欲しいのは、やっぱり明里さんだろう。
「あの、………」
「うん?」
「なんでも、遠慮せんと言うてくださいね。
あたし、気が利かないんで、あんまり役に立たないかもしれませんけど」
「ありがとう。さあ、君も食べなさい。
味噌汁が覚めてしまうよ」
そうそう、せっかく総司くんが気を利かせてくれたのに。
あったかいうちに食べなければ。
「いただきます」
手を合わせると、山南さんはにっこりと笑った。