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「それに、休憩所に暮らすことになったら、のぞみ先生の授業も受けられなくなってしまうし」
山南さんは、急に寂しそうに眉を寄せた。
怪我をして、ただでさえ孤独を感じているだろう。
その上休憩所への引っ越しを強いられたら、生きていく楽しみを奪われたら───
───死んでしまうかもしれない
湧きあがった思いに、ブルッと震えた。
(あかん、あかん。サンナンさんを今ひとりにしたらあかん!)
あたしは顔を上げた。
山南さんは、視線を落として盃を右手でいじくっている。
「サンナンさん、」
呼びかけてみたが、眉尻を下げ、悲しそうな顔で手の中の盃を見詰めたままだ。
「サンナンさん、ここにいてください」
盃をいじくっていた指が止まった。
「土方さんがなんと言おうと、あたしがサンナンさんを守ります!
あたしがサンナンさんのお世話をさせてもらいます。
そら、あたしなんかで申し訳ないとは思いますけど………」
今度はあたしがうつむく番だった。
あたしなんかに明里さんの代わりができないことくらいよく分かっている。
それでも、土方さんを救ってくれた山南さんのために何かしたい。
「のぞみ君」
優しい声で呼ばれて顔を上げると、山南さんがにっこりと笑っていた。
「ありがとう」
お礼なんて言われる立場ではない。
お礼を言わなきゃいけないのは、あたしの方なのに。
「じゃ、私は今まで通り、ここに居座ることにするよ」
冗談ぽく笑って、山南さんは「はい」と盃をあたしに差し出す。
お酒を注ぐと、山南さんは美味しそうに飲み干した。