地獄の山南敬助
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「近藤さん、ひどいやないですかぁ」
「おいおい、私は何も酷いことなどしていないと思うが」
「土方さん一人にばっかり夜の巡察押し付けてるやないですか!
近藤さんもやったはるんですかぁ?」
近藤さんは、眉を八の字に下げて「おいおい、」と困り顔。
「無論、私とて例外ではないよ。
ちゃんと夜の巡察には出ているさ」
「そやけど、毎晩ちゃうでしょお?」
「ん?………んん、まあ、当番で決まっておるからな」
「ほんなら、なんで土方さんは毎晩巡察したはるんですかぁ?」
「や、そう言われてもなぁ……、そうだ!
トシの事だから島原───いや!何でもない!何でもないぞ!!」
恋人だと勘違いしたままの近藤さんは、あたしの前で【土方さんが女の所に入り浸っている】とは言えないと思っているんだろう。
しどろもどろで言い訳を考え中。
「島原ちゃいますて!白粉の臭いしてませんもん!」
「そりゃあそうだろう!のぞみ君というものがありながら、トシが他の女の処に入り浸るはずがない!」
「だから、お仕事なんでしょう?」
あたしに切り返されて、近藤さんは「むむむ」と顔をしかめた。
「こんな働いてたら過労死しますよぉ」
「何、【かろうし】だと?」
「過労死ですよ、知らないんです?」
あたしに【知らない】というのは、武士か男の沽券に関わるとでも思ったんだろう。
近藤さんは、一つ咳払いをすると、偉そうに言った。
「知っているに決まっているだろう、【かろうし】だろう?
当たり前だ」
「働き過ぎで死ぬことですよ?」
可哀想になって、教えてあげた。
「そう、それだ」
近藤さんがあたしに指を突き付けたその時、パンパン、と土方さんが手を打ち鳴らす音が聞こえた。
「お、ほら!トシが呼んでおるぞ!
ほらほら、早く行きたまえ!」
「しっしっ」と、野良猫を追い払うようにされて、あたしは土方さんの部屋に向かった。