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本当に余計なお世話だと思う。
明里さんのことを破談にしたのは、山南さんも考え抜いての判断なのだろうし、今更あたしが口出しすることでもないのはよくわかっている。
「あの、明里さんのことなんですけど───」
「君も知っていると思うけど、明里とのことは破談にしたよ」
山南さんが手を出したので、あたしは盃を返した。
「酷いことを、と思うかい?」
あたしは、小さく頭を横に振った。
「だって、明里さんのことを想って、そうしはったんでしょ?」
あたしが飲み残したお酒を、山南さんはゆっくりと飲み干した。
「明里にはすぐに新しい旦那がつくさ。
わざわざ私のような男と一緒になることはない」
「でも、山南さんは明里さんと一緒になりたかったんでしょう?」
山南さんは箸を手に取ると、腕を伸ばして漬物を口に運んだ。
「なろうと思ったけど、こうなってしまっては」
自嘲するような笑みを浮かべる。
「でも、明里さんが一緒になりたいって言わはったら?」
「言わないだろう」
そうだろうか、後遺症が残るような酷い怪我をしてしまったからと言って、そう簡単に気持ちは変わるものなのだろうか。
「それに、休憩所に移ってしまったら、毎朝ここへ通うのが大変だよ」
「まあ、それはそうかもしれませんけど………」
山南さんはにっこりと笑った。
「じゃ、のぞみ先生の許可も頂けたということで」
「───えっ?!」
「言ったじゃないか今、【それはそうかもしれないけど】って。
それって、ここに居てもいいという意味だろう?」
正直、山南さんが休憩所を持って出ていくと聞かされたときは【寂しい】と思ったくらいだ。
ここにずっといてもらえるのは、あたしにとっては嬉しいことだけど───。