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台所には、総司くんの姿があった。
柱に手を掛けて中を覗き込んでいる。
「わっ!!」
背中をドンと押すと、左手を柱に掛けたまま、くるーっと身体が半回転して台所の方へ回っていった。
最後は板の間に飛び降りて、総司くんが怖い顔でこちらに戻ってきた。
「何するんだよ、馬鹿!」
指を差して笑うと、怒ったような恥ずかしいような赤い顔で怒鳴ってきた。
「【わざと】に決まってるだろ!
君が後ろに近付いていたことなんか、とっくに気付いていたに決まってるじゃないか!」
「あっはははー!」
「しつこいぞ!」
「士道不覚悟!」
「うるさい!」
捕まえようと手を伸ばしてくるのをさけて、あたしたちは鬼ごっこするように台所の前をぐるぐる回った。
しばらくそうしていたが、やがて総司くんがあたしの襟首を掴む。
「…………ぐぇぇ」
「たく、馬鹿じゃないの君って」
「なによ、そんな怒らんでも」
まったく、冗談の通じない男だ。
「何しに来たんだよ」
「あたしのお膳取りに来てん」
「ああ…………」
そこへ、リクちゃんがお膳を持ってきた。
「ああ、のぞみはん、ちょうど良かった。
沖田はん、のぞみはんに渡してよろしおすか?」
総司くんは、ぷいっと背を向けるとスタスタと歩いて行く。
それを見て、リクちゃんがくすりと笑った。
「沖田はん、【のぞみはんのお味噌汁冷めてしもたから、あっため直したげて】って、言うて持って来はったんどすよ」
へ────、と廊下の先を見たが、もう総司くんの姿はなかった。
「サンナン先生はどうどす?お食事、難儀したはりまへんか?」
リクちゃんたちにも評判の良かった山南さん。
スエちゃんも、心配そうにこちらを見た。
「うん、何ともないみたい」
「そう、良かった」
リクちゃんは、ほっとしたように手を胸に当てた。
「なんか、【こうして欲しい】いうようなことがあったら、言うとくれやす」
「うん、そうする。ありがとう」
「早う、元気にならはったらよろしおすなぁ」
リクちゃんとスエちゃんにお礼を言って、あたしは山南さんの部屋に戻った。