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「一人でここまで来はったんですか?」
少し驚いて言うと、山南さんは困ったような笑みを浮かべた。
「そんなに心配しなくとも、時をかければ、胡座くらいはかけるさ」
「そうでしたか、良かった!」
山南さんは、可笑しそうにくすくす笑った。
「【良かった】?」
「はい、帰って来はったとき、総司くんと新八さんに抱えられたはったでしょ?
そやから、【一人で動くんは大変なんや】と思たんです」
「最初は、一人で起き上がることも出来なかったんだよ。
いや、起き上がろうともしなかった、というのが本当のところかな」
山南さんは、あたしの顔を見て優しい笑みを浮かべた。
「手紙をありがとう」
「いえ、」
意気込んで手紙を書き始めたものの、結局何を書けばいいのか分からず、とりとめもないことばかり書いて送った。
「君から手紙を貰わなかったら、今もまだ大坂の屯営で寝たきりだったかもしれない。
君に会いたい、そう思ったよ」
どういう顔をすればいいのか分からなくて、あたしはほんの小さく笑った。
「そうそう、百まで数えられるようになったんだ。
確かに、二十まで覚えれば、あとは簡単だった、のぞみ先生」
サンナンさんのユーモアは健在だ───その呼び方に、あたしはホッとしたのと同時に、くすぐったいような恥ずかしさを覚えて、肩をすくめた。
山南さんがにこりと笑む。
「ほら、その顔。
その笑みを懐かしく思ったよ」
「えっ?」
あたしは、両手で頬を覆った。
「ずっと沖田くんに面倒を見てもらって、とても有難かったけど、」
山南さんは一旦言葉を切った。
そして、秘密を打ち明けるみたいに声をひそめた。