悔恨
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「はい、ほな、もう寝ましょうね~」
猫なで声で言って、掛け布団を引き寄せる。
「うむ、」
うめき声とともに、土方さんは身体を横たえた。
あたしは掛け布団を首まで引っ張り上げて、お母さんがよくやってくれたように、布団が身体沿うようにぽんぽんと叩いた。
目を閉じた土方さんは、どこかあどけなくて、少年のような面差しだ。
一体どれほどの女がこの寝顔を眺めたことだろう…………。
(ふん、アホらし)
部屋を出ようと、立ち上がった時だ。
くぐもった声があたしを引き止めた。
「もしも、」
あたしは振り返って、もう一度畳に膝をついた。
「なんです?」
「もしも、サンナンさんの腕が二度と動かないとなれば、俺は、どう償えばいい」
土方さんの声は微かに震えている。
「まだ、そうと決まったわけとちゃうでしょ?」
「俺が斬られるはずだった」
「────え?」
「サンナンさんは、俺の身代わりになったんだ」
向こうを向いてしまった土方さんの肩を、あたしはそっと掴んだ。
「そうやとしたら、あたしはサンナンさんにお礼を言います」
土方さんは答えない。
「土方さんが斬られたんじゃないって分かったとき、アカン事やと思いながらもホッとしたんです、あたし。
土方さんとちごて良かったって」
小さな声が「馬鹿」と言った。
「サンナンさんを仲間はずれにせんといてあげてください。
もう刀は使えへんかもしれんけど、他にも出来ることがあるはずですもん。………ね?」
肩にのせたあたしの手を、土方さんはそっと握った。
悔恨/終