悔恨
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お銚子を持ち上げると、もう空になっている。
お酒に弱い土方さんにこれ以上すすめるのは良くないだろうと思って、あたしは手を伸ばして箸を持ち上げた。
「今日の小芋、つまみ食いしたんですけど、すごい美味しかったですよ~」
箸で半分に割って、ぷすりと小芋に突き立てる。
「はい、あ~ん」
思った通りだけど、土方さんはツンとそっぽを向いてしまった。
ご機嫌斜めの男性を上手に相手できるほど、あたしには男性経験がない。
仕方なく、あたしは箸に刺した小芋を自分の口に放り込んだ。
しんとした室内に、ちりちりと灯芯の燃える音だけが響く。
土方さんは時おり鼻をすすっていたが、ひとつ大きく息をつくと、あたしに言った。
「悪かったな、もう行っていいぞ」
土方さんは緩慢な動きで立ち上がる。
酔っているせいか、足元がおぼつかない。
あたしも立ち上がって、腕をつかんだ。
「ちょっと、大丈夫です?」
「おう、あとは蒲団に入ぇって寝るだけだ」
半ば呂律の回らない舌で言って、布団の上に足をのせる。
「ちょ、待って下さい!掛け布団のけるんで」
あたしは、土方さんを支えながら足で掛け布団を蹴飛ばした。
「はい、もういいですよ」
「おう、」
偉そうに言って、土方さんはどすんと胡座をかいた。
着ているのは綿の普段着だが、こんなに酔ってしまっては、寝間着に着替えさせるのは無理だろう。