悔恨
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「【慎重すぎる】と、俺は鼻で笑った」
呉服屋に押し入った不逞浪士を捕縛するため、土方さんと山南さんが二人きりで出動した────と、一くんが言っていた。
山崎さんが方々捜して巡察中の一くんたちを見つけ、応援に駆け付けたという。
「そやけど、それは結果論でしょ?」
「注いでくれ」
突き出された杯にお酒を注ぎながらあたしは言った。
「応援を待ってたら、呉服屋さんはお店を滅茶苦茶にされてたかもしれませんし。
最悪殺されてたかもしれませんし…………」
杯に注がれたお酒を、また土方さんは一息に飲み下した。
「それに、結局、土方さんに同行することを決めはったんはサンナンさんでしょ。
土方さんのせい、ってわけじゃないですって」
土方さんは、鼻をすすった。
ひょっとしたら、泣いているのかもしれない。
そんな姿はあたしには見られたくないだろう────そう思って、あたしは立ち上がった。
「ほな、今日はもうお布団ひいときますね」
あたしが布団を敷いている間、土方さんは手酌でお酒をあおった。
それを横目でちらちら盗み見ながら、あたしは無言で布団を敷いた。
「ほな、ご飯終わったら、縁側にお膳出しといてくださいね」
全く手が付けられていないお膳を見下ろして、あたしは小さく溜息をついた。
部屋を出ようと踵を返した時である。
裾を掴まれていることに気付いたのは。
「────土方さん?」
返事は無い。
ただ、鼻をすする。
あたしは、仕方なくお膳の側に座った。