悔恨
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お膳を持って再び戻ると、土方さんは火鉢を背に肘枕で横になっていた。
「そんな格好で寝てたら風邪ひきますよう?」
そう声を掛けると、むっくりと起き上がって鼻をすすった。
「ほら、言わんこっちゃないですやん」
羽織を振りさばいて、あたしは土方さんの肩にかけた。
「帰って来はったばっかりなんですから、今日は早よ寝てくださいね」
「うるせぇな、女房ヅラするなっていつも言ってるだろ」
「はいはい」
小さい子に言うみたいに言って、あたしは土方さんに杯を持たせた。
「はい、これ飲んで、さっさと寝てください」
「さっさと、って何だ。さっさとって!」
「それから【破談】の話も、できるんやったら、一旦保留にしてもらわはったらどうですか?」
「ああ?!」
「サンナンさんかて、怪我して今は気ぃも立ったはるやろし、」
あたしは、杯にお酒を注ぐ。
「こっちに帰ってきはって、怪我も良うなってきはったら、また気持ちも変わらはるんとちゃいますか?」
それには答えず、土方さんはお酒をグイと飲み干した。
「明里さんの顔見たら、また気持ちも変わらはりますって」
杯をお膳の上にスタンと置いて、土方さんは味噌汁のお椀を持ち上げた。
右手で箸を探って、それをつかみ上げようとして、やめた。
深い溜息をつく。
「俺のせいだ…………」
「────え?」
「サンナンさんは、【応援を待とう】と言ったのに…………」
土方さんは、お椀をお膳に戻すと杯を手にした。