悔恨
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更に機嫌をそこねると面倒なので、あたしはのん気な口調で答えた。
「多分、あたしがサンナンさんの匂い袋を【いーにおーい】て、言うてたからとちゃいますかね?」
あたしは袂から匂い袋を取り出して、土方さんに見えるように指でぶら下げた。
「ほら、可愛いでしょ?」
「フン、」
「サンナンさん、明里さんのことを想って破談にしはったんとちゃいますか?」
答える代わりに、土方さんは鬱陶しそうな顔であたしを見た。
「怪我がちゃんと治るか分からへん自分の世話なんか、好きな人にさせたないんでしょ」
「フン、分かったような口をきくな」
そう言ったきり、土方さんは黙ってしまった。
多分、土方さんは山南さんと明里さんが一日も早く一緒に暮らせるように、置屋に話をつけに行っていたのだろう。
なのに、自分の知らないところで破談になっていたことに怒っているのだ。
拗ねているような土方さんの横顔にあたしは苦笑を浮かべた。
怒っているというより、むしろ傷付いているのかもしれない。ちょっと、かわいい。
「いつまでそうやって怠けてるつもりだ。膳を運んで来ねぇか」
いつまでも火鉢にあたっているあたしに痺れを切らしたのか、土方さんは苛立たしげに言った。
あたしとしては、他にも文句があるのだったら、話だけでも聞いてあげようと思ってそこにいたのだけど。