悔恨
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台所は、てんやわんやで、あたしの代わりに平助くんがお膳を取りに来ていた。
「おう、のぞみ。まだ土方さんにかかりそうなのか?」
「うーん、とりあえず火鉢に火ぃ入れんことには怒りもおさまらん感じかな」
「なんだそりゃ」と、平助くんは笑った。
火桶にいこった炭を入れて、あたしは土方さんの部屋へと向かった。
それにしても【身請けを破談にした】とは、どういうことなんだろう?
【サンナンとデキてンのか】
あたしといい仲になって、それが原因で破談になったと土方さんは思ったのだろうか?
(なんで、そうなんねん)
再起できるかわからない山南さんを支えることができるのは、やはり恋仲の明里さんだろう。
なのに、なぜ【破談】に───。
いや、むしろ、【だから、破談】なのか。
明里さんを幸せに出来ないかもしれないと思ったから。
明里さんの将来を想ってのことなのかもしれない。
優しい山南さんなら、そう考えても不思議じゃない。
障子を開けると、土方さんは火箸で灰をほじくり返していた。
あたしが火桶を持っているのに気付いて、「早くしねぇか、馬鹿野郎!」と照れ隠しに怒鳴りつける。
「はいはい」
あたしは笑い含みに言って、火鉢に炭を入れた。
土方さんは、火鉢の上で手を擦り合わせながら、チラリとあたしを見る。
「大体、なんでお前ぇなんかに、サンナンさんが匂い袋を贈るんだ」
まるで、あたしには、誰からのプレゼントももらう資格がないかのような言い草だ。