悔恨
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そろそろ夕飯のお膳を並べようと台所へ向かっていると、土方さんが玄関に入って来た。
お供の若い隊士が頭を下げているのに、まるで気付かないような態度で式台に上がってくる。
「おかえりなさぁい」
そう声をかけても、チラリとこちらを見ただけで、足音を立てて自室のある離へ歩いて行く。
まだ頭を下げている隊士が気の毒になって、あたしは言った。
「お疲れさまでした。もう行かはったから大丈夫ですよ?」
「は、」
キビキビと答えて彼は顔を上げると、あたしに一礼してから玄関を出て行った。
こう言ってはなんだけど、躾の行き届いた体育会系の部活みたいで、なかなか気持ちのいいものである。
彼の後ろ姿を見送ってから、あたしは土方さんの部屋へと向かった。
「入りますよう」
声を掛けながら障子を開けると、「わっ!」羽織が顔めがけて飛んできた。
かすかに白粉の臭いがする。
「なんです、フラれはったんですか?
あたしに八つ当たりするんはやめてくださいね」
「は?」
「お楽しみやったんでしょ?白粉の臭いついてますよ」
「────ああ、」
少し間の抜けたように言って、土方さんは自分の袂に鼻を付けた。
「そうじゃねぇ、話があってちょっと行ってきただけだ」
言い訳がましく言って、さっさと脱いだ袴もあたしに投げつけた。
「ほな、何を怒ったはるんです?」
「別に怒っちゃいねぇよ」
「ふうん」