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ふん、と土方は鼻で笑う。
「でも、今は間者などではないと確信しているよ」
(もう少し早く出会っていれば────)
「フン、そうかい」
(明里の身請けが決まる前であれば、私が面倒を───妻に、迎えたのに………)
「帰ったら正式に、八木さんに養女縁組の話を進めてもらう。
さっさと嫁に出さなきゃ、行き遅れちまう」
憮然とした土方の横顔に山南は言った。
「君はそれでいいのかい?」
睨み付けるように、ゆっくりと土方がこちらを向いた。
「どういう意味だ」
「だから───」
君が娶らなくていいのかい────そう訊こうとした時だ。
山崎丞が飛び込んできた。
「副長、」
山南から手紙を受け取りながら土方が山崎に視線を向ける。
「たった今、船場高麗橋筋の岩城升屋の中間が駆け込んで参りまして、」
店に二人の浪士が踏み込み、刀をちらつかせながら【金を貸せ】と要求しているという────押し借りだ。
岩城升屋は、この界隈では有名は呉服屋である。
たんまり金があると踏んだのだろう。
主人は、【すぐには要求の金は用意できぬから出直してくれ】と頼み込み、いったん浪士を引き取らせた。
大坂に新選組が来ていることを思い出し、助けを求めてきたという訳だ。