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彼女が山南のためにと英語で数を書いてくれたのは、もっと丸みを帯びた筆跡だ。
嫉妬にも似た苛立ちを抱きながら山南が視線を動かすと、土方はどこか照れくさそうに憮然としていた。
その表情が更に山南を苛立たせた。
「だからさ、あの子とんでもない悪戯を思いついちゃってさ」
沖田はくすりと笑う。
「たくさんの恋文を自慢する手紙をつけて、鹿之助さんに送っちゃったんだよね~~」
ケラケラと笑いながら沖田は仰向けに転がった。
「やっぱり、お前ぇらだったのか」
「──あ、しまった!」
沖田は飛び起きると、部屋の外へと駆け出して行く。
「僕は無関係なんだからね~」
笑いながら言って、どこかへ行ってしまった。
「無関係な訳ねぇだろ!」
土方が書いたとしか思えないその文字を目で追いながら山南は苦笑する。
こんなことに嫉妬するなんて、我ながら大人げない。
何か気の利いた事でも言ってからかってやろうと思ったのに、口から出たのは陳腐な言葉だった。
「土方くんを、大層慕っているようだ」
これでは、【羨ましい】と白状しているようなものではないかとひやりとする。
「サンナンさんが勘ぐってるような事じゃねぇよ。
それは、あいつがここで生き延びる為に習得した技だ」
土方も案外自分の気持ちに気付いていないのかもしれない───山南は少し意外に思った。
「彼女は頭の良い娘だよ。話がとても面白い」
土方は益々嫌そうな顔をする。
「あんた、あいつを胡散臭がってたんじゃなかったのか?」
「確かに、…………最初は疑ったさ。間者じゃないのかってね」