手紙
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「良かった」
山南さんはにこりと笑う。
「いいんですか、もらっても」
「君に、と求めたものだから」
(ああ、サンナンさんてスマート過ぎる!)
あたしは匂い袋を胸に抱いてお礼を言った。
それは、朱色の生地に色とりどりの糸で花の模様が織り込まれ、小さな巾着みたいにコロンと丸い形をしていた。
「さ、私はもう休むから、君ももう戻りなさい」
そう言われて、あたしは部屋を出たのだった。
**
「のぞみーー」
平助くんの呼ぶ声が聞こえる。
なんだろう、甘いものでも食べに連れて行ってくれるのだろうか。
土方さんたちが大阪に行ってからは、平助くんが精力的に事務の仕事を引き受けている。
(それか肩でも揉んで欲しいんかな)
目を閉じたまま、あたしは平助くんが部屋の前までやって来るのを待った。
「土方さんから手紙だぞー!」
あたしは、慌ててゴロンとうつ伏せになる。
手で畳を押して起き上がった。
「なんて書いたあんのーお?」
障子を勢いよく開けて、あたしは縁側へと飛び出した。
手紙<1>/終