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お膳を台所へ持って行った後、あたしは山南さんの部屋に向かった。
「サンナンさーん」
声を掛けると、障子に影が近付いた。
「やあ、来たね」
「どうぞ」と言って山南さんはあたしを中に招き入れた。
山南さんの前をすり抜けるとき、やっぱり清々しい香りが鼻孔に広がった。
「お酒足りたはります?もっと持ってきましょか?」
「いや、明日の朝は早いからね。今夜はこのくらいにしておくよ」
では、用とはなんなのだろう。
「腰、揉んどきましょか?明日は歩きなんでしょ?」
「うん、だけど伏見からは舟だから」
「舟?」
「そ、流れに任せて大坂まで下るんだ」
あたしはパチンと指を鳴らした。
「それ、いいですね!」
「まあでも、せっかくだから、お願いしようかな。
舟で座りっぱなしといのも、案外辛いものだから」
横になった山南さんにまたがって、あたしは訊いた。
「そう言えば、サンナンさん、近々ここを出はるんですか?」
少しの沈黙の後、山南さんは言った。
「誰に聞いたんだい?」
「土方さんです。明里さん、っていうんでしょ?」
「先手を打ってきたね」
山南さんは、くすりと笑った。
「また先手ですかぁ?」
「君に心変わりされそうで気が気じゃないんだよ」
あたしはプッと噴き出した。
「あたしですか?!そもそも、あたし土方さんのこと何とも思てませんし」
「そうなんだ?」
「だって、あたしよりかなりオジサンですよ?」