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土方さんと、総司くんが大阪へ出張に行ってしまい、ここのところ、あたしはダラダラとした毎日を過ごしている。
【土方さんが出ていかはったら、このお部屋もらいますし】
虎視眈々とこの部屋を狙っているあたしなので、土方さんの留守をいい事に日永ここに入り浸っている。
何となくガランと広いこの部屋に独りぼっちでいると、【八月十八日の政変】の時のことを思い出して、あたし一人だけが置いてきぼりを食った気がした。
袂の中にそっと手を入れると、ころんとした小さな袋が指先に触れて、それをつかみ出した。
この匂い袋は、出立の前の夜に山南さんがくれたものだ。
花のような香りが広がって、あたしは目を閉じた。
**
「後で私の部屋においで」
夕食後のお膳を片付けていると、そう山南さんが声をかけた。
「あ、はぁい」
「用事をすべて済ませてからでいいから」
山南さんは、にっこり笑って去って行く。
手にはお銚子がのったお盆を持っていた。
(誰かに頼んで持って来てもうたらええのに………)
くすりと笑って、あたしは土方さんの部屋に向かった。
既に食事を終えていた土方さんは、何やら書き物の最中。
「はいりますよぅ」と、声を掛けて部屋に入ってきたあたしに気付かないみたいに、こちらを無視している。
きっとあたしのことは、【すきま風】程度にしか思っていないんだろう。