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皆が飲んでいる、左之さんと新八さんの部屋へ戻ろうと歩いていると、その部屋の手前の部屋からも明かりが漏れていた。
(あれ、さっきは暗かったと思たけど……)
誰かな?──そう思って通ると、
「あ、一くんやん!」
一くんは刀を抜いて、どうやらお手入れの真っ最中。
手にしている、なにやら耳かきの先のぼんぼんみたいなので、刀をぽんぽんとやっている。
(や、やりたい……!!)
ルパン三世の五右エ門がやってるのを見てから、ずっと憧れていたアレだ。
もじもじしているあたしに、一くんが声をかけてきた。
「──、何か用か」
「あ、えと、あの、……」
【それ、やらせて】その一言がどうしても言い出せなくて、あたしは苦し紛れに、
「えーと、ごめんね。せっかく一人部屋やったのに、平ちゃんと相部屋になってしもて」
一くんはしばらく黙したのち、
「なんだ、そんなことか。別に、あんたが謝ることでもなかろう」
「そやけど、なんかこんな形でここに転がり込んでしもて、申し訳ないなーって思て……」
「あんたも色々と大変な思いをしたのだろう、気に病むことはない」
なんか、一くんを騙しているのはとても心苦しい。
「用がそれだけなら、早く平助たちと一緒に飲んでこい。皆、あんたを待っている」
「あ、うん……」
あたしは、その【ぽんぽん】に後ろ髪を引かれながら、
(いつか、やらしてもらお)
そう心に決めて、左之さんたちの部屋へ向かった。