いきはよいよい
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「へーえ、いい匂い。ていうか、男の人も使うものなんですね、知らんかった」
「私も、京に来てからさ」
山南さんは、照れたように笑った。
「故郷(くに)じゃ、誰もこんなものは着けないし。
江戸でも、あまり見かけなかったように思うな」
「サンナンさんの故郷て、どこなんです?」
お盆を火鉢の側に置きながら訊いた。
最近では、夜は火鉢に火を入れないと歯の根が合わなくなるくらい寒い。
「仙台さ」
山南さんも、火鉢の側までやって来て座った。
「仙台って、あの仙台ですか?」
「あの仙台って?」
可笑しそうに言う。
「えーと、伊達政宗の?」
「そうさ」
「へーえ、」
「田舎だよ、君なら半日で飽きてしまうだろう」
「そんなことないと思いますけど、一回行ってみたいです仙台」
くすくすと笑って、山南さんはお銚子に手を伸ばした。
「あ、あたしが!」
「これはこれは、身に余る光栄だ」
大仰な言い方に、あたしはクスッと笑った。
「床をピカピカにしてくれはったんやから、お酌くらい当然のことです」
山南さんが持ち上げた杯に、静かにお酒を注いだ。
「腰とか痛くないですぅ?
あたし、毎日土方さんの腰揉まされてるんで、結構上手いと思うんですよ。
まあ、土方さんは【あ~】とか【う~】とかしか言わはりませんけど」