いきはよいよい
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10センチくらい開けた隙間から中の様子を窺う。
すると、腕組みで怖い顔の土方さんとバッチリ目が合った。
「───げっ」
「何が【げ】なんだ。さっさと入って障子を閉めろ。
部屋が冷えちまうだろうが、馬鹿野郎」
「すいません………」
隙間から身体を滑り込ませて、スタンと障子を閉めた。
土方さんに背を向けたまま考える。
───そもそも、今日はビクつく必要なんか無いんじゃないのか。
だって、平助くんと二人きりでお使いに行かせたのも土方さんなら、【甘いもんでも食うてこい】と小銭をくれたのも土方さんなのだから。
ホッと息をついて、あたしはくるりと振り向いた。
刹那、背中に悪寒が走った。
(笑ろてる………)
「足の裏を見てみろ」
「───えっ?」
「足の裏をようく見てみろってんだ」
あたしは仕方なく足を上げて、足の裏を見た。
「足の裏が綺麗だろう」
「はい、」
そうか、床拭きを山南さんに押し付けてしまった事を怒っているのだ。
「すいません、すっかりサンナンさんに甘えてしまいました。
さっき、ちゃんとお礼言いましたし」
「当たり前だ」
土方さんは、不機嫌そうに「ちっ」と舌打ちをする。
「そやけど、サンナンさん、【ええ鍛錬になった】て言うたはりましたし、それはそれでまぁ良かったんかなぁって」
四つん這いで縁側を走って行った山南さんの後ろ姿を思い出して、あたしはくすりと笑った。