いきはよいよい
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「助かった。運が良かったよ」
平助くんはあたしの方を向くと、手を出した。
「立てるか、怖かったろ?」
まだ手が震えてる。足に力が入らない。
平助くんはあたしの手を握ると、ぐいと引いて立ち上がらせた。
ぐらりと倒れそうになったので、そのまま平助くんの首に腕を回して抱きつく。
「平ちゃん、」
「うん?」
「良かった………、平ちゃんが死んでしまうかと思た………」
歯の根が合わず、声が震えた。
平助くんは、優しくあたしの背中を叩いてくれる。
「馬鹿だな、俺が死んじまったら、誰がお前を守るんだよ」
運が良かった───平助くんはそう言った。
本当は死を覚悟したのかもしれない。
あたしは涙が零れるのも気にしないで平助くんの首に回した腕にぎゅっと力を入れた。
「ほらほら、平助の着物で鼻水を拭かない!」
総司くんが割り込んできて、ベリッ、とあたしを平助くんからはがす。
「拭いてへんし!」
総司くんが店の主人に挨拶を済ませるのを待ってから、あたしたちは帰途についた。
空は、赤色に染まっていた。
いきはよいよい<2>/終