いきはよいよい
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「桂さん、そろそろ───」
するどい目つきの浪人ふうの男が暖簾をよけて顔を出した。
「こいつ────!」
平助くんを新選組と見破ったのか、突然狂犬みたいな目になって、大股で店の中に入って来た。
「桂さん、こやつ、新選組ですぞ!」
そう怒鳴って柄に手を掛けた。
平助くんも鯉口を切る。
(ひぃぃぃぃぃ、誰かウソって言うてぇえええ!!)
多勢に無勢とはまさにこのことではないか!
他の客たちは危険を察知して、すでにこそこそと裏口の方へと逃げ始めている。
いくら平助くんが【サキガケ先生】か知らないけど、
(その意味も分からんけど!)
平助くん一人で何とかなるものなのだろうか。
確かに、時代劇なんかでは、主人公が敵に取り囲まれたって、順に一人ずつしかかかってこない。
だから、その一人一人に対応すればいい。
だが、今はリアルである。
こんなガラの悪い人達が、そんなにお行儀よく順番に斬りかかってきてくれるとは到底思えない。
(もう、失神しそうーーーー!)
気が遠くなりかけた時だ。
何やら、表が騒がしくなった。
そう思ったら、また一人、浪人ふうのガラの悪い男が、怖い顔つきで店の中に飛び込んできた。
「新選組じゃ!!」
そう喚いている。
中の騒動が外の連中にも伝わって、飛んで火にいる夏の虫とは正にこのこと。
この際みんなで寄ってたかって切り刻んでやろう、というつもりに違いない。
折角土方さんに助けてもらった命だけど、ごめんなさい、こんなところであっさりと奪われることになるなんて───。