いきはよいよい
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「二人きりとは、随分と呑気なことだ」
「───桂、」
唸るように平助くんが言った。
桂は、唇の端を引き上げる。
「やあ、のぞみ君といったかな。
この度は、小十郎が大変お世話になったようだ」
戸口に立っている桂の背後に何人かの仲間がいるようだ。
こっちには、平助くんしかいない。
(取り囲まれたら一巻の終わりやん!)
あたしは恐怖で顔が引き攣った。
「こいつに用があるんなら、先ずは俺に話を通してもらわねぇとな」
平助くんは、左手で鞘を握り、右手は柄を掴んだ。
桂は悠然と立っている。
「そういきり立つんじゃない。君は───」
「会津中将お預り新選組、藤堂平助」
桂は微笑むように目を細めた。
「そうか、君が───魁先生」
平助くんはあたしを庇うように立ちはだかっている。
「君の噂は聞いているよ。
随分と、僕たちの仲間を血祭りにあげてくれているってね」
(───へっ、?)
あたしは平助くんの後頭部を見た。
その横顔から、表情が険しいのが分かる。
「お前らは入京を禁じられているだろう」
八月十八日の政変以降、長州は京都に入ることを禁じられていると聞いた。
なのに、潜入してくるテロリストまがいの浪人が後を絶たないのだ。
だから、新選組はそれを取り締まっている。
楠くんのことは悲しい事件だったが、そもそも悪いのはそっちじゃないか。
平助くんを人殺しみたいに言うのはお門違いというものだ。