いきはよいよい
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「おさと殿は、こちら丹波屋のお嬢さんで」
島田さんは監察の仕事の都合で、ここ【丹波屋】という仏具店に住み込んでいるとのことだった。
【おさと殿】は、ここのお嬢さんという訳だ。
白いすべすべした頬に小さい鼻と、紅をちょんと差した小さい唇が可愛らしい。
まるでおひな様みたいだ。
豊かな黒髪を結い上げて、蒔絵の飾り櫛の隣には花かんざしが揺れていた。
(へぇー、可愛い)
島田さんが真っ赤な顔をするのも理解できる。
そもそも島田さんは【女遊びをしない】と聞いている。
そんな彼のすぐそば、しかもひとつ屋根の下にこんなに可愛らしいお嬢さんがいるとなれば、島田さんもドキドキが止まらないだろう。
だが、お茶を運ぶのに立ち上がった彼女を見て、あたしは驚いた。
彼女はとてもとても小柄だったのだ。
この時代の女性は151センチのあたしより大抵小柄だが、彼女は群を抜いている。
恐らく140センチほどしかないのではないだろうか。
(こらあかん、島田さん相手やったら潰れてしまうわ)
思わず下世話なことを想像してしまった。
島田さんもそれを気取ったのか、照れくさそうに咳払いをした。
そんなあたしたちの想像など気にも掛けぬかのように、彼女は完璧な所作であたしたちにお茶とお茶うけを出し、一礼すると部屋を出ていった。
「可愛らしいお嬢さんですね」
島田さんは、真っ赤になって「はあ、」とうなずいた。
(好きなんかな?)
だけど、島田さんは武士、彼女は商人の娘だ。
武士の結婚はかなり厳しい決まりがあるらしい。