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「んあ?──ああ、あいつは実は年上なんだけど。たしか、二つくらい上かなぁ」
平助くんと一くんは二十、といったか。
「平ちゃんの【二十】ってさぁ。それ、数え年やんなぁ……?」
平助くんは不思議そうに、「そうだけど?」と振り返る。
「ほんなら、あたし同い年かも!」
「──え、だってのぞみは十八だろう?」
「それは、満年齢やもん。
それにもうすぐ誕生日がきて19になるし。数えやったら、きっと20やと思う」
「ふうん、【満】ねぇ。変わった数え方するとこもあるんだな」
どうやら、平助くんは【そういう地方があるのか】と理解したようだった。
「なら、同い年同士ますます仲良くやろうぜ」
とニッカと笑った。
ここだ、と教えてもらった部屋は六畳くらいの広さの部屋。
今夜からあたしが使わせてもらう部屋だ。
平助くんは、部屋の隅に置かれた【柳行李】というのだろうか、衣装ケースのような箱を両手で持ち上げた。
「あ、平ちゃん。この着物と袴ありがとう」
「おう、もういいのか?」
「うん、マサさんが女もんの着物貸してくれはってん」
「お、そりゃあ楽しみだな!」
「平ちゃんに借りたん、洗濯しよと思うんやけど──」
どうやって、洗濯するんだろう。
お母さんはいつも、数日部屋に吊るして風を通していただけだったけど。
「のぞみが二日着ただけだろ?
いいよ、洗濯なんて。今もらっていくよ、ここに置いて」
そう言われて、あたしは着物と袴を柳行李の上に置いた。
「土方さんは隣の隣だから」
行李を抱えたまま、顎で「あっち」と示す。
「ありがとう」
あたしは、ふふっ、と笑った。