恋敵手(ライバル)現る!?
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意地悪な気持ちで言ったんじゃない。
その方が土方さんの喜ぶところを直接見られて良いだろう、と思ったからだ。
「別にイケズとちゃうよ?
その方がきっと、土方さんも喜ばはるんちゃうかなぁ~と思たし、そう言うたんやけど?」
「そないなこと言わんと、おたのもうします!」
深々と頭を下げられて、仕方なくあたしは引き受けることにした。
あたしの横を疾風のごとく駆け抜けて行った彼女を茫然と見送ってから、あたしは下駄を引きずりながら路地から出た。
「何だったんです?」
路地の入口で成り行きを見守っていたらしい山南さんが、心配そうにあたしの顔を覗き込む。
「はい、…………なんか、」
あたしは、受け取った小さな風呂敷包みを、ちょいと持ち上げた。
「渡して欲しいって言われて…………」
「あの娘から?一体誰に?」
山南さんの口調が険を含んだものになったので、あたしは慌てて言い足した。
「危ないもんとちゃいますし」
「じゃあ、何なんだい?」
多分、男性に託けるのが恥ずかしいからあたしに頼んだんだろう。
それをここでバラしてしまっていいものか、少し悩んだ。
「のぞみ君?」
山南さんが覗き込む。
彼とて、あたしを批難している訳ではない。
楠くんのこともあったから、きっと色んな意味で心配してくれているのだと思う。
「えーと、…………贈り物です」
「贈り物?」
「────あ、はい。あたしにって」
そういうことにしておこう。