恋敵手(ライバル)現る!?
夢小説設定
名前変更名前の変更ができます。
※苗字は固定となっています。
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
普段は前川邸の前を通る綾小路通を使うのに、あたしを気遣ってか、新八さんは坊城通を北上していく。
ちら、と壬生菜畑を横目に見た。
【のぞみはん!】
楠くんの声が聞こえた気がした。
まだ10代だったのに。
そんな少年を間者にするなんて。
長州に対する怒りがつのる。
二人が連れて来てくれたのは、長い暖簾の下がったお店。
どうやら甘味屋さんではないようだ。
新八さんに続いて暖簾をくぐる。
「あ、呉服屋さんやん」
「そうさ、」
肩越しに新八さんが微笑む。
「のぞみちゃん、袷(あわせ)の着物を持ってねぇだろう?」
「そうそう、みんなでお金を出し合って買おうってことになったんだ」
あたしは思わず苦笑した。
みんな、あたしのことを思ってくれているんだと改めて知って、なんだか気恥しい。
(そやけど、どうしよ…………)
冬の着物なら、今朝土方さんが頼んでくれたばかりだ。
「ほらほら、見せてもらおうぜ」
「そ、あんまり高いのは買ってやれぇけどさ」
店先の框(小上り)に腰を下ろした二人に少し困っていると、奥から年配の男性が出てきた。
「────あ、」
「おやおや、」
それは、今朝、屯所に来てくれた呉服屋のおじさん。
「のぞみはん、これはこれは」
おじさんは腰を低くしてこちらまでやってくると、床に手をついて深々と頭を下げた。