恋敵手(ライバル)現る!?
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広げてみると、ひょろりとした筆跡で【馬鹿】と書いてある。
(あほはどっちやねん、小学生か!)
あたしは姿勢を正して、清書に専念することにした。
(こんなオッサン、いちいち相手にしてたらアホがうつるわ)
だいたい、あの子もよりにもよってなんでこんなアホなオッサンが好きになったんだろう。
(見た目はまぁまぁかもしれんけど、)
(ほんま、サイアクな男やで)
(……………、)
まあ、その最悪な男に命を救ってもらったのは確かだし、助ける義理もないのに面倒をみてもらってるのも確かだけど────。
「あの子…………、土方さんのどこがええんでしょうねぇ」
もちろん返事は返ってこない。
「だって、あの子、あたしより若いでしょ?
あたしだって【おじさん】やと思うのに────」
ちっ、と盛大に舌打ちが返って来た。
「それにしても、また着物新調しはるんです?
確かこないだも、【おろしたて】言うたはんのん聞いた気がしますけど」
そうそう、例の髪結が来た日のことだった。
【新しい羽織に爪を引っ掛けるなよ】と念を押されたので、【ほな、自分でやれよオッサン】と胸の中で悪態をついたのだ。
「お前ぇがドジ踏むような真似しやがったから、切られちまったんじゃねぇか───あ、くそっ」
土方さんは間違ったところを、ぐりぐりっと墨で塗りつぶした。