恋敵手(ライバル)現る!?
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「へーえ、そんな制度があったんですか!」
「ま、皆食えないのさ。君もよく知っているように」
山南さんは、あたしの頬をツイとなでた。
そうか、山南さんはあたしが女郎屋から逃げ出してきたと信じているのだった。
【君もよく知っているように】とは、【武家】出身のあたしが遊郭に売られた背景には貧困があるのだろうと言いたいのだろう。
(ほんまは、この時代に生まれてたら【お姫(ひい)さん】やったんやけどなぁ…………)
家老を務めた家柄だと母が話していた記憶がある。
この時代、そんな家柄に生まれれば、綺麗な着物を着て、何不自由なく暮らすことが約束されているのだろうか。
先程の女の子の綺麗な恰好が脳裏をかすめた。
(どこの藩やったんか、ちゃんと聞いとけば良かった~~~っっ)
お母さんも、もっとしつこく教えてくれれば良かったのに!!
(まぁ、ええ加減に聞いてたあたしが悪いんやけど…………)
「おい、いつまでしゃべってる。やることは山ほどあるんだからな」
不機嫌そうに言って、土方さんは歩き出した。
「ほら、早く追いかけたほうがいい。雷を落とされることになるよ」
山南さんが茶化すように言った。
恋敵手(ライバル)現る!?<2>/終