恋敵手(ライバル)現る!?
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「────えっ、そうなんですか?」
「そうなんですかって、そうだろうよ。
いっつも俺の羽織を畳んでるのはどこのどいつだ、馬鹿野郎」
「あたしですけど、そんなん、いちいち見てませんし。
ていうか、そんなん気にしたこともありませんでした」
「要するに、知らねぇんだな?自分の紋を」
「知ってますって。今調べてきたんですから」
「まあまあ、いいじゃないか。
定紋が同じことはよくあることだよ」
あたしは山南さんを見た。
「親戚とかじゃなくても、同じことがあるんですか?」
「うん。親戚じゃなくとも同じ、ということは珍しいことじゃないさ」
「へえー」
あたしは、自分が描き写してきた絵と土方さんが着ている羽織の紋を見比べて、少なからず驚いた。
「わざわざ土方さんと同(おんな)じとちごても良かったのに…………」
独り言のようにつぶやいたつもりが、「それは俺の科白だ」と返ってきた。
あたしの寸法を取り終わると、親娘は何度もお辞儀をしてから、お供の若者を従えて帰って行った。
それを見送りながら、山南さんが土方さんに言う。
「なかなか綺麗な娘さんじゃないか。悪い話じゃないのでは?」
土方さんは無視して歩き出す。
「え、何の話です?」
あたしは、山南さんを見上げた。