恋敵手(ライバル)現る!?
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「もうちょっと、こちらへ」
にこにこと頬を赤くしたまま、彼女はあたしを部屋の中央へと誘う。
彼女が動くと、とてもいい匂いがする。
あたしは更に惨めな気分になって、恨みを込めて土方さんを見た。
「冬物を作ってやろう」
「冬もの?」
そういえば、さっき「うっかりした」というようなことを言っていた。
それは、【冬物を用意してやるのをうっかり忘れてた】という意味だったのか。
そのために、早速呉服屋さんを呼んでくれたのだろうか────あたしのために?
「────え、なんか、すいません。
あたしのなんかの為に、わざわざ…………」
すると、山南さんが苦笑いで答えた。
「私たちも新調したくてね、呼んであったんだ。
わざわざではないから、気にしなくていいよ」
なるほど、────少し考えれば分かることだった。
【あたしの為にわざわざ】なんてことがあるはずないことくらい。
女の子に寸法を計ってもらい、布地を決めた。
上下に加えて襦袢、洗い替えまで作ってもらえることになり少し恐縮していると、山南さんが思い出したように言った。
「紋服を作っておかなくていいのかい?」
「────ああ、そうだったな」
「ほんなら、黒羽二重に仙台平でよろしゅおすか?」
「うむ、そうだな…………」
顎を撫でた土方さんの横から、山南さんが再度口を挟んだ。
「紋服くらい、女物にしては…………」
あたしと土方さんは、同時に山南さんを見た。
「何か変な事を言ったかな…………」
山南さんは、照れたように頭に手をやった。
ずっと、怖い感じの人だと思っていたけど、案外可愛い一面があるんだと知った。
よく見れば、上品な顔立ちは嫌味がなくて、良家のご子息といった雰囲気。