恋敵手(ライバル)現る!?
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土方さんの部屋へ小走りに向かうあたしの襟首を総司くんが後ろからむんずと掴む。
「ぐえっ!…………ちょっと、なにするんよ、あほ!」
「そっちじゃないよ、こっち」
総司くんは、表の客間を指している。
誰かお客さんなんだろうか?
(なんやろう、ひょっとして、あたしの奉公先が決まったとか?)
不意にまたその不安が襲ってきて、あたしは二の足を踏んだが、かまわず総司くんが襖に向かって声をかけた。
「土方さ~ん!」
(こいつだけは…………、)
中からすっと襖が開いて、そこに立っていた土方さん越しに、晴着のようなきれいな着物をきた女の子が座っているのが見えた。
「おう、入れ」
土方さんに背中を押されて、あたしはおずおずと中に入った。
総司くんは────と思って振り返ったが、手をふってニヤニヤしながら襖を閉めていく。
なんとなく不安な気持ちになって、あたしは襖を背に立ち尽くした。
晴着を着た可愛い女の子にも、柄にもなく少し気後れした。
着たきりの着物はくたびれ始めていて、ひょっとすると汗の臭いがするかもしれない。
(あたしかって、あっちではちゃんとオシャレしてたんやから…………!)
妙な言い訳を心の中でしながら改めて部屋の中を見ると、部屋の中には山南さんと、それから商人らしい中年のおじさん、そのとなりに綺麗に着飾ったその女の子が色白の頬を赤くして座っていた。
結い上げた黒髪もよく手入れされているのか、艶やかでとても美しい。
「お願いします」
土方さんが丁寧に言うと、「へぇ、」とおじさんが答えて、隣の女の子を見た。
彼女は、一度畳に額をつけるようにお辞儀してから立ち上がると、あたしの方へやってきた。