恋敵手(ライバル)現る!?
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「けど、逃がしてやりたかったんだろう?」
「………それはそうですけど、」
あたしは楠くんの言葉を思い返した。
「逃がそ思たんですけど、【どこにも戻れへん】そう言うたはりました………」
新選組にも、桂とかいう男の元にも戻れない。
もしも戻れるとしたら、土方さんの首くらい取っていかないといけない。
そう思ったから、勝ち目のない勝負に挑んだんだろう。
「それに、楠くんを斬らんと、土方さんが斬られてたやないですか」
「お前ぇは、せいせい出来て良かったんじゃねぇのか?」
土方さんは笑い含みに言う。
───そんなこと、
「そんなこと、あるわけないやないですか」
あたしは、おでこを土方さんの胸につけた。
この匂いが好き。
土方さんの、匂いが好き───。
背中に腕を回してぎゅっと力を入れた。
すると、───
「ば、馬鹿!」
土方さんは力任せにあたしを引きはがした。
(……………、)
「さっさと、袴をはかせないか」
「……、はいはい」
背中に回していた手で紐を掴み、前で紐を結んだ。
(なんやねん、くそオヤジ!!)
普通、ぎゅっとし返してくれたりするもんじゃないのか!
あたしは、足音も荒々しく左之さんの部屋に向かった。
恋敵手(ライバル)現る!?<1>/終